【DM_vol.2】顧客セグメントDMでレスポンス率アップ!
第6回は「顧客セグメント別のDM活用術」をテーマにお送りします。通販企業様では、DM施策を実践または検討されているところが多いと思います。その中で「顧客セグメント別にDMを変えるべきか」「どの顧客に、どんなDMを送ればよいのか」というお声を耳にします。
CRMの現場から、通販ディレクターA氏とデザイン制作会社のS氏と共に、顧客のセグメント方法やそれぞれに最適なDM、事例などをご紹介します。
目次
一律のDMはコストの無駄に?!
A氏:DM施策では、どの顧客に、どんな情報を送るかが非常に重要になるため、顧客セグメントは欠かせないポイントです。
S氏:しかし、顧客をセグメントしてその種類だけDMを作ると、1通あたりのコストが高くなり時間もかかるため、同じ内容のDMを一斉に送る企業も少なくないですね。
A氏:セグメント別にDMのコンテンツや仕様を変えることをおすすめします。
例えば、優良顧客にたくさん購入してもらうために何度も値引きのキャンペーンを打っても、一時的には効果はあるかもしれませんが、やがてキャンペーンの時しか買わない顧客へ変わってしまう可能性があります。
S氏:休眠顧客は1年も2年も前に買ったことすら憶えていない場合もあります。そこにいきなりお役立ち情報を送っても、効果は得られません。
忘れている顧客ならどんな情報を欲しているのか、またDMを送ることでその顧客にどうなってほしいのかという目的もそれぞれ違いますから、顧客に合ったコンテンツにしないとDMを打ってもコストが無駄になってしまいます。
A氏:そうなんです。商品を初めて購入し、どれくらいの日数が経ちどれくらい使用しているのかといういわゆる「RF*」によって、顧客が必要としている情報や発信頻度は異なります。
情報量の観点でも、優良顧客にはがき1枚のDMを送ったら「いつも買っているのにこれだけ?」となるし、休眠顧客に何ページもある会報誌を送っても、ほぼ読んでもらえないでしょう。
つまり、顧客のステータスによってDMの内容と情報量に紐づく仕様をうまく使い分けする必要があります。そうすることで、無駄なく効率よく顧客のリピート購入を促進することができるのです。新規顧客、リピート顧客、優良顧客にセグメントし、それぞれ具体的にどのように使い分けるかご紹介していきましょう。
*RF:顧客セグメントの手法であるRFM分析のうち、Recency(リセンシー:最終購入日から現在までの経過日数)とFrequency(フリークエンシー:累計購入回数)
新規顧客:リピート購入を狙う
【目的】
初回購入した顧客に対し、商品やサービスの理解を促し、2回目、3回目の購入につなげる。
【顧客心理・状態】
「効果があるか楽しみ」
「使い方はみんな同じだよね? 自分流でいいかな」
「今使っているのがあるから、あとで使おう」
「2週間使ったけど、効果が感じられない?」
【コンテンツ例】
①使用を促進し、正しく使ってもらうことで効果実感を早める。
→ 効果実感を早める使い方紹介
②使っている中での疑問や不安を払拭する。
→ よくあるFAQ
③続けて使う効果・メリットを訴求する。
→ 2週間後、4週間後、6週間後の肌実感変化 →定期便案内
【期待される効果・事例】①の場合
オールインワン美容液を扱う通販会社様では、初回同梱のブランドブックに簡易的な使い方を掲載していました。しかし、顧客調査からご案内通りの方法で商品が使われていないことが分かりました。読まれていない、理解されていないという仮説の元、別途DMに実寸の規定量の美容液画像と共に、顔の各部位ごとに異なる使い方(マッサージの仕方)により、それぞれどのような肌変化や効果があるのかを具体的に掲載しました。
これにより、前回のDMから10%近くレスポンスがアップしました。
【期待される効果・事例】
中:三つ折り圧着ハガキDM、A4大判DM、二つ折り大判圧着DM、定型封筒
リピート顧客~ロイヤル顧客:拡大・固定化を目指す
【目的】
定期会員や利用頻度・利用金額が多い顧客に対し、上位サービスや付加価値情報の提供などで手厚くし、さらなるファン化・固定化を目指す。
【顧客心理・状態】
「特に不満はないが、他にいいものがあればスイッチするかも」
「この商品、ブランドにおおむね満足」
「これだけ買っていればお得意様だよね」
【コンテンツ例】
①飽きさせない。効果実感をさらに高める。
→ クロスセル(合わせ使いで効果アップ、今お使いの上位クラスご紹介)
②心理的な満足度を高める。
→ 感謝の手書きメッセージ →健康・美容のお役立ち情報
③スペシャル感を与える。
→ VIP(優待)制度のご案内 →お得意様だけの催しへのご招待
【期待される効果・事例】③の場合
青汁を扱う大手メーカー通販会社様では、ある一定の条件を満たしたお客様に対してVIP制度を設けました。ロイヤル顧客に手厚い特典を付与することでアップセル及びクロスセルが進み、VIP制度を設ける前よりも平均購入単価が約10%アップしたとされています。
【情報量(DMのサイズ)】
大:巻き三つ折りA4大判圧着DM、OPP封筒・紙封筒
休眠顧客:再度購入を促す
【目的】
購入から一定期間が過ぎた離脱顧客に対し、オファーをメインに、離脱してしまった原因を払拭する内容で再び購入を促す。
【顧客心理・状態】
「初回安かったから買った」
「効果が感じられなかったから、もう興味はない」
「商品が余ってしまった」
【コンテンツ例】
①オファーでもう一度お得な体験。
→再チャレンジキャンペーン 今だけ30%OFF
②続けていれば効果を感じることができる。
→効果が実感できた使用期間をアンケート結果として紹介 →効果を感じた方がしていたことをお声で紹介 →続けた方のビフォーアフター
③正しくたっぷり使えば余らない。
→2週間でこれだけ減っているのが正しい使い方
【期待される効果・事例】①②の場合
主にサプリメントを扱う健康食品の通販会社様では、休眠DMのお客様のお声の中で、どのように使用したら効果が出たのかのテクニックや効果が期待できるまでの期間について掲載。
また、そのDM限定で通常価格の半額で購入できるキャンペーンを実施。さらにフォローコールで止めた理由をヒアリングすることで離脱防止策を見出しました。同時にDMのキャンペーンをご案内する施策を実施したところ、期待以上の成果が出たとのことでした。
【情報量(DMのサイズ)】
小:ハガキDM、大判ハガキDM、二つ折り圧着ハガキDM
セグメントに適した仕様を選ぶ
S氏:前述にあった顧客によって情報量(DMのサイズ)を分けるだけでなく、DMの仕様も顧客に合わせたものが必要になってきます。
新規顧客や休眠顧客向けでは、一覧性があり手に取った瞬間からダイレクトに情報が伝えられるハガキDMを採用される企業が多いですね。
A氏:新規顧客向けでは、めくりたくなる仕掛けとともに、ある程度の情報量が掲載できる圧着DMがよいでしょう。
優良顧客であれば、複数のチラシやサンプルなどが送れる上、中身の保護性が高く特別感を演出せきる封書DMが適しています。仮に中身が違っても同じ形態のDMが2回届くと、読まずに捨てられる可能性が高まるため、逆に同じ内容でも仕様を変えて運用していく方法もおすすめです。
まとめ
CRMの費用対効果を高めるためにも、DM施策をする上で顧客セグメントは必須。それぞれの心理・状態を踏まえて顧客が求めている情報を、適したサイズ・仕様のDMを送ることで、結果的に収益につながりやすくなる可能性が高い。
プロフィール
A氏
化粧品、健康食品通販メーカー、化粧品OEM企業に勤務を経て独立。20年にわたり事業計画、商品企画、新規獲得、CRM戦略、バックヤード設計・運用など通販事業の運営に必要なすべてのセクションに従事。独立後は化粧品、健康食品をはじめ多数の通販企業の立ち上げから事業支援による事業収益改善に携わる。
S氏
デザイン制作会社にて30年にわたりセールスプロモーションツールを制作。ここ15年は化粧品、健康食品をメインとした新規獲得やCRMの制作に携わる。
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