【商品同梱_vol.1】顧客到達率100%なのにコストゼロ?! 最強のCRMとは

第12回は「CRMでもっとも重要とされる商品同梱」をテーマにお送りします。通販企業様では、「CRM施策でどこから手を付けたらよいか分からない」「あまりコストをかけずにCRMの基盤を構築してリピート率を向上するにはどうしたらよいか」というお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

CRMの現場から、通販ディレクターA氏とデザイン制作会社のS氏と共に、商品同梱とは何か、どんなメリットがあるのかなどをご紹介します。

商品同梱はCRMでもっとも重要

S氏:新規顧客の獲得が厳しい中、獲得した顧客をリピートさせ、LTV※を向上させるためにCRMは非常に重要なわけですが、具体的にどうすればよいのか、何が効果的なのかというご相談がよくあります。特に新規獲得がWEBメインのところが多いですね。

A氏:たしかに、広告がWEB中心の企業は、メルマガやステップメールがCRMの主体になっていますから、その他にどんな施策をとればいいのかが分からないというお悩みはよく聞きます。
また、多くの企業がコストをあまりかけずに、CRMの基盤を構築してリピート率を向上させたいと考えていると思います。CRMでどこから手をつけていいか分からない、コストを抑えたいという企業には、まず商品同梱から実施することをおすすめします。すでに実施している企業は、同梱物の見直しや拡充を行うと良いでしょう。

S氏:商品同梱とは、通販で購入した商品と一緒に顧客に送付する印刷物やモノのことです。注文ごとに必ず入る納品書以外に、挨拶状や商品パンフレット、定期加入や新商品などのご案内チラシ、商品サンプル、プレゼントなどが代表例として挙げられます。
自社のファンになってもらい、リピートに繋げる重要なツールといえます。

A氏:通販で商品同梱が重要視される理由は、顧客が商品を購入しその商品が届く一番気持ちがホットなタイミングにアプローチができ、かつ同梱物が必ず顧客の目に留まり手に取ってもらえるためです。ダイレクトメールを読まない人は少なくありませんが、同梱物は商品を取り出す際に必ず手に取ります。つまり顧客到達率はほぼ100%。商品同梱ほど確実に顧客へアプローチできる手法はないため、利用しない手はありません。
また、コスパもよく、総合的に見て同梱物はCRMの中でもっとも効果が期待できる重要な施策といえると考えます。
ちなみに、大手ECモールでは、同梱物に誘導されて顧客がモールから離脱する事態を防ぐために、モール独自の規約に反する同梱物は通常入れることができません。

次からは同梱物のメリットや種類について紹介していきましょう。

※LTV:Life Time Value(顧客生涯価値)。一人の顧客が1社に対し、生涯を通じてもたらす利益。一般に顧客ロイヤリティが高いほどLTVが高くなる。


商品同梱のメリット

1.顧客到達率100%

メリットの1つ目は、先にも挙げた通り顧客到達率が100%である点。
顧客が購入した商品と一緒に届けられるため、その商品を取り出すタイミングで、同梱したツールも手に取ってもらうことができます。
顧客に直接アプローチするCRMの施策としてメルマガやDMがありますが、メルマガの開封率は10~30%と低く、DMはポストインされる他の郵便物と混在していたり、顧客が自社の商品やサービスに興味を持っている状態とは限らず、紙面を見ても興味がないと捨てられる可能性もあるため、DMの開封率は100%とはなりません
一方、商品同梱は購入した商品が顧客の手元に届く、気持ちが一番ホットで期待値の高いタイミングのため、商品と一緒に届けられたツールに興味を持ってもらえる確率は数段に上がるのです。

2.リピート促進

メリットの二つ目は、リピート促進に役立つ。
メリット1でも挙げた通り、一番期待値の高いタイミングで同梱物を見てもらえるため、発信した情報をしっかりキャッチしてもらいやすく、次のアクションも起こしてもらいやすくなります。

例えば、購入した商品の正しい使い方を促すことで、今よりももっと実感値を高めて商品満足度を上げることができますし、一緒に使うことでより高い効果が得られる商品をおすすめすることでクロスセル率は高まるでしょう。

特に顧客の期待や関心がもっとも高まっている初回購入時の同梱物は重要になります。開封したときに目に入るものが納品書だった場合と、心のこもった挨拶状だった場合とでは、ショップに対する顧客のイメージは大きく変わるでしょう。顧客の心をつかめるかどうかは、初回の同梱物で決まるといっても過言ではありません。

3.低コスト

メリットの三つ目は、到達率が100%にも関わらず低コストで実施できる。
もちろんツールの制作費や印刷費はかかりますが、DMと違って印刷物を発送するコストはかかりません。ツールの封入代はかかりますが、全体としては非常に低コストで実施できるため、商品同梱はCRMの中では一番コスパの高い施策といえるでしょう。


商品同梱のデメリット

1.規模が限られる

商品同梱は顧客が購入した商品と一緒に届けるものであるため、アプローチできる数、タイミングに限りがあります。月に稼働する顧客の割合が全会員数の20%であれば、アプローチできるリスト数はそれがマックスになりますし、同梱物を入れる対象が初回購入のみとした場合はさらに少なくなります。
非常にコスパの高い施策ですが会員規模によってはリーチできる規模は小さく、瞬発的な売上インパクトが小さくなります。
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2.管理・更新が必要

すでに商品同梱を取り入れている多くの通販企業は、ステップメールと同様に初回に購入した顧客にはこの同梱物を、2回目にはこれをと決め、自動でそれを繰り返す手法を取っています。
しかし、商品がリニューアルしたり、内容を変更したり、薬機法でニュアンスを変える必要が出てきた場合、使いまわしていた印刷物を再度制作し、印刷し直す必要が出てきます。メルマガやデジタルのCRMであればネット上で変更がすぐできますが、印刷物を扱うCRMでは更新と差し替えが必要になります。
同梱物の設定が複雑になればなるほど顧客ごとに同梱物の入れ間違いなどのミスが起こりやすいことも問題としてあるため、今どの顧客にどの同梱物が届けられているのかを管理し常に把握しておかなければなりません。


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同梱物の主な種類と目的

同梱物にはいくつか種類があり、それぞれに目的があります。この目的に沿って作成し、顧客の心理や商品の使用状況を踏まえ、何回目に同梱するのがベストなのかを考えます。

1.挨拶状

【目的】顧客との信頼関係構築
サンクスレターとも呼ばれる挨拶状は、顧客に感謝の気持ちを伝えるツールです。
顧客との信頼関係構築に役立つ重要なアイテムで、特に初回購入時には欠かせません。手書きや手書き風の挨拶状を使うと感動や親近感がアップして、好印象につながりやすくなります。

2.ブランドブック

【目的】ブランドの確立
ブランドブックとは、主にブランドの考え方やお客様に提供する価値を綴ったもので、「私はこういうものです。あなたにこんな未来を提供できます」といった自己紹介のような位置づけになります。ブランディングを狙うマーケティング戦略の一環として、ブランドブックを同梱物に利用する企業は少なくありません。もちろん商品を気に入ってもらうことも大切ですが、それと合わせて理念に共感してもらえれば強固なファン化につながり、長い間お付き合いいただけるトリガーになります。

3.商品パンフレット

【目的】商品への理解促進
商品の効果や成分、品質などを紹介することで、商品への理解を深め、顧客が「この商品を買って間違っていなかった」「自分はいいものを使っている」と安心・納得させるものです。特に効果効能については、期待感を膨らませる材料となります。
ブランドブックと一緒にまとめる場合もあります。

4.商品の正しい使い方

【目的】商品の使用促進、実感を早める
商品の正しい使い方の紹介は、同梱物でもっとも重要な内容のひとつです。正しく使ってもらわなければその商品の効果がしっかり得られない可能性が高まり、顧客の不満にもつながり離脱されやすくなります。定期便であれば決まって1カ月後に商品が届いてしまうため、使い始めが遅れることは商品余りに繋がり、離脱の原因にもなります。

例えば「使ったその日からお肌の変化が始まります!」など届いたらすぐ使用してもらうメッセージの工夫も必要です。商品をきちんと使ってもらえれば次回購入のタイミングを把握できるため、効果的なアプローチに繋げやすくなります。

商品パンフレットに組み込む場合もありますが、確実に読んでもらえるように単独で作成したほうが良いでしょう。

5.お客様のお声

【目的】効果への期待
実際に商品を使用した顧客の体験談は、これから商品を使う新規顧客の安心感を高める上で有効です。顧客の状況に近い人の声を紹介することで、商品の使用で得られるメリットをイメージしやすくなります。新規顧客には使用歴が浅い人の体験談、リピーターには使用歴が長い人の体験談を紹介しましょう。ネガティブな声もあわせて紹介することで、よりリアルで信頼性がアップします。

6.定期コースのご案内

【目的】定期加入促進
すでに定期コースに加入している顧客に対しては、その仕組みをしっかり理解してもらう内容とします。未加入の顧客に対しては、お得感や不安・疑問を解消するべく内容を記載したご案内にすると良いでしょう。リピート通販において、いかに多くの顧客に定期コースにしてもらうかが重要なKPI※の一つになるため、このご案内はとても重要になります。

*KPI:Key Performance Indicator(キーパフォーマンスインジケータ)の略で、重要業績評価指標と訳される。KGI(Key Goal Indicator)という最終目標を達成するための具体的な指標。

7.キャンペーンのご案内

【目的】クロスセル
シーズンや顧客が購入している商品に合わせて、特定の商品をお得に購入できるキャンペーンを実施したり、プレゼントやポイント特典などをつけることで、顧客にお買い物の楽しさの提供と共にアクションしてもらうきっかけを作ります。キャンペーンの商品でなくても、こうした情報を発信し続けることで他の商品を購入してくれることもあります。
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5.顧客の立場でツール・内容を考える

商品同梱は、顧客に唯一ほぼ100%の確率で情報を届けることができます。ゆえに、どのCRMの施策よりも重要で、企業にとっても、それを受け取る顧客にとっても、関係性を構築していく上で非常に大切なツールといえます。
ただし、何でも同梱すればいい、数が多ければいいということでもありません。よく見受けられるのが初回の同梱に、あれもこれもと入れ過ぎてしまうことです。数が多すぎると顧客の読む気持ちが失せ、読んでもらえない可能性もあります。

また、初回からクロスセルチラシや商品一覧を入れても効果は薄いと感じます。まずは今の商品を正しく使い、実感を早めること。商品への満足感なくして、リピートはあり得ないでしょう。

留意するべきことは、顧客の立場で考えることです。
顧客が購入した商品が手元に届くタイミングという点では同じでも初回なのか2回目なのか、定期なのか都度購入なのか、購入した商品は何か、使用状況はどうか、得られている効果はどれくらいか等によって顧客の状況、心理は全く異なります。

これらを想像し、今顧客がどのような情報を必要としているか、何をしたら喜んで満足してもらえるのかを同梱物に反映し、適切なタイミングで同梱する必要があります。顧客のことを考え尽くし、それをカタチにして商品と一緒にお届けする。その活動が顧客のファン化に繋がり、結果的にリピート率や購入単価の向上、そしてLTVの最大化に繋がっていくでしょう。


まとめ

顧客への到達率100%の同梱物はCRMの中でもっとも重要であり、一番コスパの高い施策。ツールごとに目的に沿って制作することが大切。顧客の状況・心理を考えた同梱物は、顧客の心を掴み、リピート率向上、LTVの最大化に繋がる。


プロフィール

A氏
化粧品、健康食品通販メーカー、化粧品OEM企業に勤務を経て独立。20年にわたり事業計画、商品企画、新規獲得、CRM戦略、バックヤード設計・運用など通販事業の運営に必要なすべてのセクションに従事。独立後は化粧品、健康食品をはじめ多数の通販企業の立ち上げから事業支援による事業収益改善に携わる。

S氏
デザイン制作会社にて30年にわたりセールスプロモーションツールを制作。ここ15年は化粧品、健康食品をメインとした新規獲得やCRMの制作に携わる。


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