【商品同梱_vol.2】定期引き上げに導く6つのノウハウ【事例付き】

第13回は「商品同梱で定期引き上げ率アップ」をテーマにお送りします。通販企業様では、「コストを抑えて定期引上げをしたい」「思うように定期に引き上がらない」というお悩みをお持ちのところも多いのではないでしょうか。

CRMの現場から、通販ディレクターA氏とデザイン制作会社のS氏と共に、定期引き上げに効果的な施策を事例とともにご紹介します。

定期引き上げは同梱物が有効

S氏:お試しや本品割引で新規は獲得できても、その後の定期引き上げや継続に多くの企業が苦労されています。近頃は、お試しのつもりが定期だったというネット通販でのトラブルが増え、消費者は定期に対しての警戒心がありますから、その対策も必要でしょう。

A氏:単品リピート通販では、いかに定期コースに引き上げるか、また定期コースを継続してもらうかが重要なKPI※になります。定期加入促進のため、商品到着後にコールセンターから電話を差し上げたり、ハガキ等で定期案内をする方法もありますが、やはり一番費用対効果が高いのは商品同梱です。
そのため、商品同梱の中で定期コースに関するツールは一番重要と言っても過言ではありません。

S氏:多くの企業は商品同梱に定期コースのご案内を入れていますが、その表現方法が気になります。「注文の手間が省けて便利」「〇〇%割引で一番お得」「いつでも送料無料」「いつでも変更できる」など淡々とコースの特徴を並べただけのものが少なくないのです。
顧客視点で見るとこうしたものはメリット感が薄く、アピール力も弱くなります

A氏:そうですね、定期の特徴は基本情報として必要ではありますが、定期に引き上げる、または継続してもらう上で本当に顧客にとって魅力的か、必要な情報になっているか、顧客の不安や疑問を解決するものになっているかという視点で作ることが大切になります。
次からは同梱物のメリットや種類について紹介していきましょう。

※KPI:Key Performance Indicator(キーパフォーマンスインジケータ)の略で、重要業績評価指標と訳される。KGI(Key Goal Indicator)という最終目標を達成するための具体的な指標。


定期に引き上がるための5つの要素

まず、商品同梱における効果的な定期引き上げについてお話ししていきたいと思います。以下の要素が揃った時に、定期引き上げの成功確度は上がります。

(1)商品の効果に期待を持っている、もしくは使用して気に入った
(2)価格が商品の価値に見合っている
(3)定期コースの仕組みが理解できる
(4)定期コースを続けていく上での障壁がない
(5)定期コースを続けていくのは自分にとって有益だと感じる

その他にもブランドの理念に共感できる、デザインが好み、届けてくれたら配達員が親切など細かいこともありますが、引き上げに直結するものとしては大まかに上記5点となります。

ただ、一つ目の「商品の効果に期待を持っている、もしくは使用して気に入った」については、さらにブレイクダウンすると、使用感や味などが気に入る場合や体や肌の調子が良くなる初期段階の実感値の高さ、最終的に自分の悩みを解決してくれる効果実感などが起因して気に入るということに繋がります。

こうしたことも含め、上記5点すべてを顧客に感じてもらう非常に難しいことですが、その確度を上げることができるのが商品同梱になります。


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引き上げ確度を上げる事例

では、商品に同梱するのはどのようなツール、内容、表現方法であれば確度が上がるのか事例を交えてご紹介いたします。

商品効果の期待を高め、価格以上の価値に高める

【事例①】正しい使用方法を伝わりやすくする

商品を気に入ってもらわなければ定期加入にはならないため、効果を実感してもらうことが一番であり、そのためには正しく使ってもらう必要があります。

使用方法の掲載は当然のことですが、ステップ1、ステップ2とそのままを掲載するだけでなく、例えば化粧品であれば適量を正確に伝えるため、1回あたりの使用量の原寸大の画像を掲載したり、QRコードからアクセスして動画で使用方法を見られるようにすることで、より正確に伝えることができます。

また、肌悩み別に使用方法のワンポイントアドバイスを掲載することも有効です。ただし、企業発信ではなく、実際に使用している顧客から声を募り、誰にも教えたくないマル秘テクニックなどと称してその使い方を紹介することで、実感値を上げる確率を向上することができます。この内容は、結果的に定期継続にも繋がる大変重要なポイントになります。

【事例②】継続使用してもらうための動機付けを行う

どんなに正しい使い方を発信しても、化粧品や健康食品はすぐ効果が出るものではないため、顧客の気持ちを落とすことなく毎日、長く使い続けてもらう必要があります。その動機付けに商品同梱の活用があるのですが、これについては、次号で詳しくお伝えしたいと思います。

【事例③】効果以外で商品価値を高める情報を発信する

企業理念やブランドコンセプトを発信することで共感や信頼を得るというやり方です。また、研究開発秘話や配合成分の希少性、最先端技術による商品開発などを謳うことでも価値を高めることができます。

この他、消費者心理としてたくさんの人が使って賛同しているものに価値を感じやすいため、「No.1」や「満足度〇〇%」「リピート率〇〇%」「〇〇%の方が定期コースをご利用いただいています」などのマークや数値を見せる、顧客から届いたたくさんの感謝のハガキの画像を掲載するのも良いでしょう。

そして一番分かりやすく効果的なものが、著名人や専門家の起用です。
一般的には広告に使用することが多いですが、CRMでも例えば著名人が実際に1日の中でどのようにその商品を使っているのかを深堀したコラムを掲載する、専門家の視点から配合成分と商品自体の評価や推奨をするなどしてダイレクトに商品の価値を高めるということもできます。

ただし、著名人の場合はコストが高いケースが多く、使用範囲がWEBのみの場合や契約期間があるなど、継続的に使用するCRMツールとしては使いにくい面もあるため注意してキャスティングしたいところです。

定期コースの仕組みが理解でき、継続する障壁がなく有益だと感じてもらう

【事例④】知りたいのは〇%ではなく〇円お得になるか

「〇〇%割引で一番お得」は一見、顧客にとって有益な情報ですが、本当にそうでしょうか。顧客は何%割引かという情報よりも、いくら安くなるのかが知りたいはずです。20%割引よりも1,000円お得と言われた方が分かりやすくなります
さらに1年間で換算すると12,000円お得、送料無料分も足すとこれだけお得と言われると一層お得感が増し、購買行動を喚起することができます。

【事例⑤】定期のハードルを顧客視点で考え払拭する

顧客が定期を申込むかどうか考える時、一番お得と分かった上で他に何を気にするでしょうか。それはコースの仕組みです。昨今、定期コースは社会問題になり消費者から嫌煙されがちな時代となりました。その背景は定期コースの分かりにくさや、定期コースだと思ってもいなかったのに定期だったということです。
であれば、そこをしっかり分かりやすく図やイラストを使って説明します。初回同梱で顧客が知りたいのは、1回目は何カ月後に届くのか、どういう内容のものが届くのか、いくらなのか、お休みできるのか、変更や解約は何日前までに連絡すればよいのかなどです。

その内容を、小学生が見ても分かるくらいシンプルかつ分かりやすく表します。
LPなど新規の広告ではコンバージョンが下がるからと掲載しない企業もありますが、商品同梱はすでに商品を購入した方に届けるツールです。商品さえ気に入ってもらえれば、顧客はお得な定期コースを選ぶでしょう。「よく分からない」「余るかもしれないから」「継続しなきゃいけないのかな」など悩まなくていいことで悩んで定期コースに加入しないのは、顧客にとっても、企業にとってももったいないことです。

顧客が感じる定期コースのハードルをクリアにすることが定期コースのご案内にはとても重要になります。

【事例⑥】定期案内は単独チラシにして入れ続ける

ブランドブックや商品カタログ、キャンペーンチラシなど、商品に同梱したいツールは多くありますが、一度にたくさん入れるのは効果的ではないため、ツールを集約する場合もあります。

その際、商品カタログやブランドブックなどに定期コースのご案内も入れる企業も多いのですが、定期コースのご案内は極力単独チラシにすることをおすすめします。顧客はすべてのツールを見ず、見てもさっと流されてしまうことが多いため、冊子などの中に入れてしまうと開けずに気づいてもらえない可能性が高くなります。

定期コースのご案内は、継続率を左右する重要なツールであるため、気づいてもらわないとそもそも効力を発揮しません。単独チラシにするだけでなく、商品に同梱する際もなるべく他のツールよりも上にくるように指示を出す、もしくは目に留まり手に取ってもらいやすいようなデザインにします。

また、2回目、3回目と都度購入された時にも定期引き上げツールは同梱し続けましょう。何度も入れることで手に取ってもらう確率は上がりますし、続けて商品を購入したということは継続意思があるため、その気持ちに寄り添い、定期という選択肢が顧客にとって一番有益であることを伝え続けていくことも大切です。

小手先のテクニックで顧客を動かすことは難しい時代です。今回ご紹介した事例は一見まわりくどく感じるかもしれませんが、顧客に真摯に向き合い「顧客がどのような状態・気持ちになったら定期に申し込むか」「申し込まない理由はなぜか」を顧客視点に立って考えるこうした活動が、結果的に定期引き上げ率アップに繋がると考えます。


まとめ

定期引き上げに一番効果的で低コストなのは商品同梱であり、定期コースに関するツールは一番重要。商品効果や価値を高め、定期の障壁を取り除くなど、すべて顧客の立場・視点で考え、発信し続けることが結果的に定期引き上げ率アップに繋がっていく。


プロフィール

A氏
化粧品、健康食品通販メーカー、化粧品OEM企業に勤務を経て独立。20年にわたり事業計画、商品企画、新規獲得、CRM戦略、バックヤード設計・運用など通販事業の運営に必要なすべてのセクションに従事。独立後は化粧品、健康食品をはじめ多数の通販企業の立ち上げから事業支援による事業収益改善に携わる。

S氏
デザイン制作会社にて30年にわたりセールスプロモーションツールを制作。ここ15年は化粧品、健康食品をメインとした新規獲得やCRMの制作に携わる。


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