【CRM_vol.4】CRMで利益をだすポイントとは?!費用対効果の測定方法も解説

今回は「CRMで利益をだすポイントとは?!」をテーマにお送りします。通販企業様では、CRMを行う中で、いかに早く投資回収し利益を出すかに頭を悩ませていらっしゃると思います。

CRMの現場から、通販ディレクターA氏とデザイン制作会社のS氏と共に、コストをかけるべきタイミングや利益を出すしくみについてご紹介します。

どこにコストをかけるべきか

端本:通販企業様から「CRMの拡充を検討しているものの、事業収益にプラスになるのか」「CRMで利益が出ているのか分からない」というお声を耳にします。CRMの必要性・重要性は理解されていても、やはり利益につながるかどうかはシビアな問題です。

A氏:CRMで利益が出るのかという問題ですが、結論からいうとYESです。
これに関しては、後ほど詳しくお伝えしますが、現在、WEBでの検索によってさまざまな商品やサービスが比較されやすい時代になり、新規獲得からの囲い込みが非常に重要となっています。こうした状況において、CRMの実施がいかに大切であるかは、みなさんお分りいただけていると思います。

S氏:これまで本ブログでは「CRMは本当に必要なのか」に始まり、【何で】メルマガやDMなどのチャネル特性を活用、【誰に】悩みを想定したRFM分析による顧客セグメント、【いつ、何のために、どのように】カスタマーアプローチマップを作成しPDCA*を明確に回す、ということをお伝えしてきました。
今回はそのまとめとして、利益を出すポイントのご紹介です。

*PDAC:Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)のプロセスを繰り返し、継続的に改善していく手法。

A氏:まず、CRMの実施では、誰にどうお金をかけるべきかをしっかり考える必要があります。
年商数十億円規模の通販企業になってくると、購入回数が少ない初期の顧客のKPI*改善はある程度まで行うと限界だと考えてしまいがちです。逆に購入回数が多いロイヤルカスタマーの方が利益をもたらしてくれ、動かしやすいこともありコストの比重を置く傾向があるように感じます。

そのロイヤルカスタマーが離反しないように、CRMツールを拡充するなど、よりよいサービス提供をしたいという意図も分かりますし大事なことですが、過剰なCRMやサービスになっていないか、そもそも費用対効果がプラスの施策になっているかどうか、立ち止まって今一度考えてみてほしいと思います。

*KPI:Key Performance Indicator(キーパフォーマンスインジケータ)の略で、重要業績評価指標と訳される。KGI(Key Goal Indicator)という最終目標を達成するための具体的な指標。


LTVで年間売上を予測

A氏:CRMの実施により利益が生まれるのか。
つまり売上が上がり、効率良く事業を運営するための利益を出せるのかをお話しするにあたり、利益に関わる「LTV」と「投資回収」について説明します。


LTVとは、Life Time Valueの頭文字をとったもので「顧客生涯価値」を意味します。つまり、顧客が取引を開始してから終了するまでの期間に、その顧客が企業にどれだけの収益をもたらしたかを表す指標です。


S氏:通販では初回購入からそのブランドで商品の購入をやめる(解約する)までの間の売上を指しますが、やめるタイミングは定まっていません。終了のタイミングをいつに設定するのがいいでしょうか。

A氏:最初の1年を区切りとした「360日LTV(以下LTV)」がよく用いられています。LTVの数字を出すことで、年間売上を予測することができます。


例えば、購入単価が5,000円で顧客1人あたりの平均購入回数が4回なら、LTVは20,000円。月に1,000人の新規顧客を獲得すれば、1,000人×20,000円で年間売上は2,000万円になると分かり、売上計画が立てやすくなります。


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投資回収の考え方

A氏:「投資回収」は投資した金額(コスト)を利益により回収することを意味します。
通販は主に広告費とトランザクションフィー(各種手数料)のコストを、複数回リピート購入してもらうことでその都度得られる利益で回収します。
その投資から回収までの期間を「投資回収期間」といいます。


例えば、1個1カ月分の粗利が3,000円の商品を、CPA(広告投資の獲得指標)8,000円で新規顧客を獲得した場合、トランザクションフィーが毎回1,000円かかるとしたら、初回の利益3,000円に対して、コストは9,000円なのでこの時点でマイナス6,000円となります。

2回目は3,000円の利益に対して、コストはトランザクションフィー1,000円のみで2,000円のプラスになるため、初回と2回目のトータルでは4,000円のマイナスとなります。このように利益を積み上げていくと、損益分岐が0になる4回目つまり4カ月がこの商品の投資回収期間になります。

ただ、初回は特別オファーで売価を下げることが多いため利幅は小さくなり、リピート率を考慮していないため、実際の投資回収期間はもっと後ろになりますが、考え方としてはこのような形になります。


S氏:投資回収期間は短いほど利益が出るわけですが、CRMの中でどこに注目すべきでしょうか?


KPI改善のタイミングで売上に差

A氏:CRMのどこでKPIを改善させるかがポイントです。
冒頭でもコストをかけるタイミングの話をしましたが、早い段階でKPIを改善することによって、利益に大きな差が生まれてきます。そのしくみを具体的に説明します。

まずは、LTVの観点から見てみましょう。


例えば、単価10,000円でLTVが4回の場合、AとBでどれだけの差が出るかを計算してみます。

A:5回目から6回目のリピート率を10%上げる
B:2回目から3回目のリピート率を10%上げる

詳しい計算式は下記の通りですが、結果として1人あたりのLTVで換算すると、Aは1,400円(回転数が0.14回)、Bは3,300円(回転数が0.33回)の増加で、Bのほうが1,900円増加しています。大した差ではないと感じるかもしれませんが、月に1,000人の新規獲得があれば年間で190万円、10,000人獲得であれば1,900万円も変わってくるのです。

このように、5回目から6回目のリピート率を10%上げるよりも、2回目から3回目のリピート率を10%上げるほうが、大きな売上が見込まれます。


S氏:投資回収の観点で見てみるとどうでしょうか。

A氏:リピート率をあげるためには、施策が必要になります。
100円のCRMを2回目に追加して、3回目のリピート率が10%改善した場合、先ほどの【B】 の表を元に計算してみましょう。

*CPR(Cost Per Response):コストパーレスポンス。申し込み1件あたりにかかった広告費。
*ROI(Return On Investment):リターン オン インベストメント。投下資本利益率。

A氏:上の図からも分かるように、100円の追加コストをかけても10%改善できれば、さらなる利益を生むことができます。また、この計算から、コストを150円まで増やせそうだということも分かり、CRM拡充を見込むことが可能となります。

S氏:コストは利益を出すための投資と考えてマネジメントすることが大切ですね。冒頭でのお話の通り、優良顧客にコストをかけることも大事ですが、初期の顧客へのCRMを充実させることも重要です。

業務効率化によるCRMの費用対効果の考え方

CRM(Customer Relationship Management)の導入において業務効率化は重要な観点です。CRMは業務プロセスを改善し、費用対効果を高める方法の一つとして機能します。以下はその詳細です。

業務プロセスの自動化

CRMは、タスクやプロセスの自動化を可能にします。たとえば、自動的に顧客の問い合わせを追跡し、タスクリストを生成することができます。これにより、手動での作業時間が削減され、業務プロセスが迅速かつ正確に実行できます。

タスクと予定の管理

CRMは、スケジュールの管理、タスクの割り当て、リマインダーの設定などをサポートします。これにより、タスクの見落としを減少させ、業務プロセスの透明性を向上させます。

顧客データの一元化

CRMは顧客データを一元化し、容易にアクセスできるようにします。これにより、顧客対応時に情報をすばやく入手でき、効率的なコミュニケーションが可能です。

販売プロセスの最適化

CRMはセールスプロセスを最適化し、リードの追跡、見込み客のスコアリング、販売チームの協力などを支援します。効率的な販売プロセスは収益を増加させます。

カスタマーサポートの向上

CRMはカスタマーサポートプロセスを改善し、問題の迅速な解決やカスタマーケアの向上に貢献します。これにより、顧客の満足度が向上し、長期的な顧客関係が構築されます。

データ分析と洞察

CRMはデータ分析ツールを統合し、顧客行動の洞察を提供します。これにより、市場戦略の最適化や新たな機会の発見に役立ちます。

関連記事:【CRM_vol.2】顧客セグメントはDI+RFM+Aが成功のカギ

時間とリソースの節約

CRMによって、業務プロセスの効率化が実現され、無駄な時間とリソースの浪費が削減されます。これにより、組織全体でコスト節約が実現され、費用対効果が向上します。

業務効率化を重視したCRMの導入は、組織が費用対効果を向上させ、顧客サービスの品質を高め、競争力を維持または向上させるための強力なツールとなります。

CRM導入時の課題とは?【費用対効果を考える前に】

CRMを導入する際には、いくつかの課題や障壁が存在します。以下に、CRM導入に関連する主な課題をいくつか挙げてみましょう。

データの品質と整合性

CRMは顧客データを核として機能するため、データの正確さが極めて重要です。例えば、間違った顧客の連絡先、重複する顧客履歴、あるいは誤った購買記録がCRMシステムに入力されると、顧客に対するパーソナライズされたマーケティングや販売戦略の実施が困難になります。CRMは顧客データを中心に構築されるため、データの品質が非常に重要です。誤ったデータ、重複したデータ、不正確な情報がCRMに取り込まれると、効果的な活用が難しくなります。

組織文化の変化

CRMを導入すると、社内業務のやり方が変わります。お客様を最優先に考える方法や新しい仕事の流れを取り入れる必要があります。これには、社員の皆さんが一緒に協力し、新しい環境に慣れることが重要です。CRMの導入には組織文化の変化が伴います。顧客中心のアプローチやプロセスの変更が必要となり、従業員の協力と変化への適応が求められます。

コストと予算

CRMシステムを導入し、運用するには相応のコストが必要です。ライセンス料、システムのカスタマイズ、従業員のトレーニング、そしてインフラの更新といった要素が予算に大きな影響を及ぼすことがあります。しかし、長期的には顧客関係の強化や業務の効率化により、これらの初期投資がビジネス成長に大きなリターンをもたらす可能性があります。CRMシステムの導入と運用にはコストがかかります。ライセンス料、カスタマイズ、トレーニング、インフラの更新などが予算に影響を及ぼす可能性があります。

導入期間とスケジュール

CRMシステムの導入には時間がかかることがあり、ビジネスプロセスへの影響を最小限にするために適切なスケジュールを立てる必要があります。特に、従業員が新しいシステムに慣れるための時間を考慮することが大切です。これには、段階的な導入計画や、十分なトレーニング期間の設定が含まれます。このようにして、ビジネスの日常運営を維持しつつ、スムーズな移行を促進することができます。

データセキュリティとプライバシー

顧客データは機密性が高く、適切なセキュリティ対策が必要です。また、プライバシー法規制(例: GDPR)に対する遵守も重要です。通販事業では、顧客データの機密性を守ることが極めて重要です。これは、データ漏洩や不正アクセスのリスクを防ぐための強固なセキュリティ対策が必須であることを意味します。具体的には、暗号化技術の使用、アクセス管理の厳格化、定期的なセキュリティ監査などが挙げられます。さらに、GDPRをはじめとするプライバシー法規制への厳格な遵守も不可欠です。これには、顧客の同意取得、透明性のあるデータ管理、および適切な情報開示ポリシーの実施が含まれます。

ユーザートレーニング

CRMシステムを効果的に使用するために、従業員へのトレーニングが必要です。トレーニングには時間とコストがかかります。

カスタマイズと拡張性

CRMシステムは、特定の業務プロセスやワークフローの反映や事業成長に伴うスケールアップといった企業独自の事情に合わせてカスタマイズできる柔軟性を持つべきです。しかし、過度なカスタマイズは、システムの複雑さを増し、メンテナンスやアップデートの難しさを引き起こすことがあります。さらに、カスタマイズには追加の開発コストや時間が必要となることもあります。理想的なCRMシステムは、必要なカスタマイズを実現しつつも、運用の効率性とコスト管理のバランスを取ることが求められます。企業によって異なるニーズに対応するため、CRMシステムはカスタマイズ可能であるべきです。しかし、過度なカスタマイズはコストと複雑さを増加させる可能性があります。

変更管理と受け入れ

すでにCRMシステムが導入されている状態で、新しいCRMシステムに変更する場合、従業員と管理層の協力が必要です。変更管理戦略が必要です。

利益の実現

CRMの導入には、投資と利益の実現の時間差が存在することがあります。初期の段階ではコストがかかり、効果が本格的に現れるまでに時間がかかることがあります。

これらの課題に対処するためには、適切な計画、リーダーシップ、リソース、トレーニング、セキュリティ対策が必要です。

また、CRMの導入は戦略的な決定であり、組織全体のビジョンと一致していることを確認することが重要です。特にセキュリティ対策の重要性は年々高まっており、顧客データを守り、信頼と安心を提供することが、通販事業の成功の鍵となります。

関連記事:CRMマーケティング戦略:顧客満足度向上とビジネス成果最大化の手法

定期便離れの今、CRMで優良顧客を

A氏:最近までは、購入回数が3回目くらいまでのリピート率は、購入回数を約束してもらう「回数しばり」や自動で定期的にお届けする「定期便」という仕組みにのせて上げることができていましたが、昨今のさまざまなトラブルにより、社会的に取り締まりが厳しくなり、消費者からも警戒されるようになっています。

S氏:回数しばりはもちろん、定期便での獲得や移行までもハードルが高くなってしまいました。また、メディアやアフィリエイターまで回数しばりを訴求した広告を敬遠するようになり、そのためCPAの高騰や取り扱いが難しくなっています。

A氏:以前のように仕組みでリピート率を稼ぐことができなくなった今、この穴を補うのがCRMであり、より一層重要性が高まってきています。


ある化粧品通販会社では、継続顧客に同梱していた会報誌の内容を過剰サービスと捉えて、整理縮小し、その分のコストを初期段階の顧客のセグメント別CRM施策に振り分けた結果、全体としてのLTVが10%以上も向上し、優良顧客を増やすことに成功しています。


このように、CRMで初期段階のアプローチでコストをかけ、ブランドや商品についてしっかりメッセージを発信し、その中で感動や驚きをプラスアルファで提供するという活動を地道に続けていけば、定期便への移行はもちろん、定期便でなくても継続してもらえる優良顧客増へと繋がる確率が高くなるでしょう。


まとめ

CRMの費用対効果が出ているのかを見直して、コストの適正化を。長期継続のリピート率を10%上げるよりも、初期段階のリピート率を10%上げるほうが、大きな利益が見込まれる可能性が高い
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プロフィール

A氏
化粧品、健康食品通販メーカー、化粧品OEM企業に勤務を経て独立。20年にわたり事業計画、商品企画、新規獲得、CRM戦略、バックヤード設計・運用など通販事業の運営に必要なすべてのセクションに従事。独立後は化粧品、健康食品をはじめ多数の通販企業の立ち上げから事業支援による事業収益改善に携わる。

S氏
デザイン制作会社にて30年にわたりセールスプロモーションツールを制作。ここ15年は化粧品、健康食品をメインとした新規獲得やCRMの制作に携わる。


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