【商品同梱_vol.4】リピートしたくなる同梱ツールとは?

今回は「商品同梱でリピート率を上げる」をテーマにお送りします。通販企業様では、「リピート率が上がらない」「毎月の売上を安定させたい」というご相談を多数いただきます。

CRMの現場から、通販ディレクターA氏とデザイン制作会社のS氏と共に、リピート促進策の具体例と事例をご紹介します。

目次

顧客のモチベーションをCRM設計で維持

S氏:多くの企業では売上確保・向上のために定期の引き上げと継続率アップに注力していますが、都度買いの顧客に対しての取り組みが少ないように感じます。

A氏:定期顧客にはコストをかける反面、都度買いのリピート施策はメルマガが主で商品同梱は最低限のツールだけという企業が多く見受けられます。
しかし、売上アップを図るためには定期だけではなく、都度買いの顧客をリピートさせることも重要です。

S氏:都度買い顧客への施策が、購入商品のアピールだけに終わったり、やみくもにすべての商品を総合カタログ的に紹介するというケースが散見されます。
CRMを考える上の基本である、顧客視点での内容になっていないため、リピートにも結びつきにくいではないでしょうか。

A氏:そうですね。定期も都度買いも、顧客のモチベーションを維持していくというスタートラインは同じです。顧客は「続けていいのか」「効果がないかも」と迷い不安に感じていて、その心理へのフォローがうまくできていないと顧客のモチベーションが下がります。

S氏:商品が余ってしまう、効果が実感できないないという理由でリピートしない場合もありますが、単に次の購入を忘れていたり、簡単に他社商品へスイッチされてしまいます

A氏:自動的に発送される定期とは異なり、顧客の意思とアクションがないとリピート購入には繋がりませんから、購入を後押しするきっかけの創出が必要になりますね。
都度買い顧客はタッチポイントが限られているため、定期顧客に比べ忘れられがちなのですが、次の購入に繋げるきっかけを作り、またそれを実施するためのタッチポイントの確保がリピート促進する上でとても重要になります。
そのファーストアクションが初回の商品同梱です。定期だけでなく、都度買いの顧客にもしっかり対応できるようにコストをかけて、次への購入または定期への引き上げを促しましょう。


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また、これは少し別の観点の話なのですが、定期を避ける人が増えている中、定期ではなくサブスクリプションや、定額制にして好きな商品を選んでもらうなど、定期に縛られないシステムを構築する考え方もあると思います。

では、次からはどういう状態であれば顧客はリピートしたくなるのか、5つのポイントと具体策、事例を交えてご紹介します。


都度買い顧客をリピートさせる5つのポイントと具体策

① 商品を気に入る、もしくは効果を期待する

前回の定期継続率アップでも触れましたが、効果を早く実感してもらうための施策です。

【具体策】

 正しい使用量・使用方法、肌のターンオーバーを解説してなぜ3カ月使わなければならないのか、お客様の声やアンケートなどを活用して長く続けると効果があることを紹介します。

 3カ月チャレンジのレポートを誌面だけでなく動画でも作成し、二次元コードからYouTubeへ誘導。1カ月ごとの肌変化を動画とミックスして見せることで、紙だけよりも効果が得られます
実際の顧客にモニターになってもらうケースが多いと思いますが、注目度・説得力を高めるなら著名人をキャスティングする方法があります。著名人の場合はコストや使用規制がありますが、新規獲得・継続促進にも使えるためおすすめです。

② 企業やブランドを好きになる

商品だけでなく、企業やブランドに対して信頼感や共感を獲得する施策です。

【具体策】

顧客にモノではなく「コト」を体験して感動を与えるイベント等の開催が有効です。コロナ禍で移動や対面が制限される中、オンラインでイベントを開催する企業が増えています。化粧品の場合、スキンケアセミナーやメイク術など商品がらみのものが多いのですが、商品ではなく企業の魅力を伝えられる内容でファンづくりを目指します

例えば…
CSR活動やSDGsなどの取り組みを紹介しつつ、そのボランティア活動などに顧客も参加してもらうというものです。環境に負荷をかけない原料を使用している企業やプラスチック軽減活動をしている企業であれば、海岸でのごみ拾いイベントを主催してSNSにアップ。顧客の参加を募り、そのレポートをYouTubeなどの動画と同梱物で紹介します。

【事例】

当ブログ4号でも紹介しましたが、コンセプトの異なる二つのブランドをもつある化粧品通販会社でリピート率アップに繋がった事例です。

植物成分をうたったブランドのイベントとして、貸し切りのレストランに顧客だけでなく原料である植物の生産農家の方も招待しました。そこで実際に商品に配合されている植物を使用した料理をプロのシェフが作り、顧客にふるまうというものです。
会社のスタッフや生産者のそれぞれの顔と原料を見ることができ、その中でおしゃべりをしたり、料理を食べるという体験・感動を与えることができました。他のCRM施策の積み重ねもありますがこの取り組みが功を奏し、もうひとつのブランドよりもブランドの認知度やリピート率ともに高くなる結果となりました。

③  利便性やお得感を感じている

定期は嫌だが毎回注文するのは面倒だけど、少しでも安く購入したい顧客を後押しする施策です。

【具体策】

今使っている商品を3個まとめ売りで送料無料などがあります。顧客は1回の受け取りで済み、都度買いだとかかる送料が無料になるメリットがあります。
2個、3個、4個とまとめての購入など、個数が増えるほど割引率を高くしたり、3個以上にはサンプルなどのプレゼントをつけると、お得感をアピールすることができます。

次回購入のきっかけがある

都度購入者は、よほど商品を気に入らなければ、自分から注文するアクションは起こしにくいと考えられます。ですから顧客に次のアクションを起こさせる施策が重要となります。

【具体策】

顧客の肌悩みに合わせ、今使っている商品と一緒に使うとより効果が出る商品をおすすめします。よくクロスセル狙いで総合カタログ的に商品を紹介しているケースがありますが、ファンが確定している一部のブランドを除き、数や種類が多いと顧客が選びきれず結局注文しないということになりかねません。

①でおすすめした商品のサンプルも一緒に同梱します。ただ商品を紹介するだけでなく、サンプルで体験してもらうことで商品が身近に感じられ、その良さを納得して購入してもらうことが可能となります。

③ 顧客はポイントがあると使おうという気持ちが働くため、特典として購入金額に応じたポイントやプレゼントを付与します。納品書に現在の保有ポイントを印字したり、メルマガなどでもポイント数と有効期限を伝えると良いでしょう。
プレゼントは商品サンプルや次回の購入に使える割引クーポンなどが挙げられます。

【事例】

あるスキンケアの通販企業で、2回目の商品お届け時に美容液のサンプルを同梱しました。その美容液は現在使用している商品と併用すると相乗効果が得られるものでした。ここで工夫したことは、「なぜそのサンプルを送ったのか」「なぜあなたに使ってほしいのか」「使うとどんないいことがあるのか」、その思いを書いた手書き風の手紙を添えたことです。
よくある試供品ではなく、手紙にして一緒に送ることで、売り込み感を出さずに「その顧客のために届けた特別な贈り物」という演出ができたのです。
これによりサンプルの使用率が高かったと考えられ、リピート率が約15%向上しました。

⑤ 忘れられていない、大切に思われている

前述の通り、定期に比べて都度買いの顧客はタッチポイントが少なくなるため、簡単に他社商品などに移行してしまいます。それを防ぐために顧客とのタッチポイントを増やす施策です。

【具体策】

オンラインでCRMを行う場合、メルマガやステップメールが主流となっていますが、CRMの効果を上げるにはLINEは欠かせなくなってきました。その理由に開封率の高さがあります。
ステップメールの開封率は20%前後に対して、LINEは約60%と3倍も開封率が高い傾向にあります。LINEは見やすさや操作しやすいユーザーインターフェースに於いてもメルマガよりも優れており、かつ多機能であることから、開封後のアクションも起こしてもらいやすいのが特徴です。

ステップメールのみのCRMに、LINEを加えたことでリピート率はプラス10%、LTVを30%以上改善させた通販企業もあります。
ステップメールだけのCRMを行っている場合は、LINEの公式アカウントを開設し、チラシの商品同梱などで友達登録を促しましょう。もちろん単純に友達登録を募っても顧客は簡単に登録してくれませんので、割引クーポンやプレゼント、キャッシュバックなど特典をフックにすると良いでしょう
60代後半以上はオペレータと話がしたいという方が多いため、電話でのご案内が効果的だと思われます。

リピート通販におけるCRM向上のメリットとデメリット

リピート通販において、顧客関係管理(CRM)の向上に取り組むことは、多くのメリットがありますが、同時にデメリットも考慮する必要があります。

効果的なCRM戦略を確立するためには、顧客のニーズを理解し、データプライバシーに配慮し、長期的な視点で計画を進めることが大切です。

リピート通販におけるCRM向上に取り組むメリット

顧客ロイヤルティの向上

CRMを通じて顧客のニーズや購買履歴を把握し、個別のアプローチを提供することで、顧客のロイヤルティが向上します。満足度の高い顧客はリピート購入率が高まります。

カスタマイズされたアプローチ

CRMを活用して、顧客ごとに適切な商品提案や特典を行えます。顧客の関心に合った商品やサービスを把握し、それに基づいてアプローチすることで、購買意欲が高まります。

リピート率の向上

改善されたCRMにより、リピート購入率が向上するでしょう。定期的なコミュニケーションや特典提供によって、顧客は継続して商品を購入しやすくなります。

口コミや紹介の増加

優れたCRM戦略により顧客満足度が向上すると、顧客からの口コミや紹介が増加する可能性があります。新規顧客を獲得しやすくなる一方、既存顧客も新たな商品やキャンペーンに興味を持ちやすくなります。

リピート通販におけるCRM向上に取り組むデメリット

リソースと時間の投入

CRMの向上には、顧客データの収集・分析やパーソナライズされたコミュニケーションの準備に多くのリソースと時間が必要です。これには投資が必要です。

データプライバシーの配慮

顧客データの収集と活用には、プライバシーに関する法的規制や配慮が求められます。データセキュリティとプライバシー保護を確保することが重要です。

一貫性の維持

CRMの改善には、一貫性のあるコミュニケーションとアプローチが必要です。異なるチャネルやタッチポイントからの顧客へのアプローチを調整し、混乱を避ける必要があります。

過剰なコミュニケーション

適切なタイミングやコンテンツでない場合、過剰なコミュニケーションは逆効果になる可能性があります。顧客にとって価値のある情報を提供し、煩わしさを感じさせないようにすることが大切です。

ROIの確保

CRMへの投資の効果を評価し、投資収益率(ROI)を確保することは課題です。効果的なCRM戦略を構築するために、データ分析や評価の体制を整える必要があります。

関連記事:【CRM_vol.1】CRMの効果を高めるチャネルミックス

CRM施策によって顧客ロイヤルティ向上することがリピート通販の鍵

CRM(Customer Relationship Management)施策によって顧客ロイヤルティ向上がリピート通販にとって非常に重要な理由を詳しく説明します。

繰り返しの購買を促進

顧客ロイヤルティを高めるCRM施策は、既存の顧客が繰り返し購買を行うことを促進します。

顧客は自分を認識し、価値を提供するブランドに忠実で、継続的な購買行動を示す傾向があります。これにより、リピート購入率が増加し、収益が安定します。

競合他社との差別化

リピート顧客は競合他社の誘惑に対して比較的抵抗力があります。

CRM施策によって提供される個別のケアと特典は、顧客にとって他社との差別化要因となり、ブランドの選択肢を絞ります。

口コミと広告効果

ロイヤルな顧客は製品やサービスに満足しており、その結果、ポジティブな口コミを提供しやすくなります。

口コミは新規顧客の獲得に貢献し、広告効果を高めます。また、リピート顧客は広告に対してより高い反応率を示すことが多いため、広告のROI(投資対効果)も向上します。

安定した売上と収益

リピート顧客からの安定した売上と収益は、ビジネスの安定性と成長に不可欠です。

新規顧客の獲得に比べて既存の顧客を維持する方がコストが低く、持続可能なビジネスモデルを構築するのに役立ちます。

クロスセルとアップセルの機会

CRM施策を通じて、既存の顧客に関連商品やアップグレードオプションを提案できます。顧客の購買履歴や嗜好を活用して、追加の価値を提供し、顧客単価を増加させる機会があります。

顧客満足度の向上

CRM施策によって、顧客のニーズやフィードバックを理解し、顧客満足度を向上させることができます。満足度の高い顧客は、不満足な顧客よりもリピート購入率が高い傾向があります。

総合的に、CRM施策によって顧客ロイヤルティを向上させることは、リピート通販ビジネスにおいて持続的な成功と成長を実現するために不可欠です。

忠実な顧客ベースを築くことは、競争の激しい市場での優位性を確立し、収益を増加させる鍵となります。

参考:“売らないCRM”でLTVを最大化せよ~単品通販(D2C)の本質は教育業~

リピート通販においてCRM向上を目指す上での注意点

リピート通販においてCRM(顧客関係管理)向上を目指す際には、以下の注意点を考慮することが重要です。

個別対応とパーソナライゼーション

顧客ごとに異なるニーズや好みを理解し、個別の対応を行いましょう。購買履歴、ブラウジング履歴、顧客の好みに基づいて、パーソナライズされた提案や特典を提供することで、顧客の忠誠心を高めることができます。

購入後のコミュニケーション設計

購入後も顧客とのコミュニケーションを維持しましょう。感謝のメッセージやフォローアップメール、サービスの改善を尋ねるアンケートなどを通じて、顧客の声を聞き、満足度を向上させる機会を作りましょう。

リピート購入プログラム

リピート購入を奨励するプログラムを導入しましょう。例えば、定期購読オプションやリワードポイントプログラムを提供して、顧客に継続的な購入を促しましょう。

顧客からのフィードバックの収集

顧客の意見やフィードバックを積極的に収集し、商品やサービスの改善に活かしましょう。不満や問題がある場合には、素早い対応と問題解決が顧客満足度を向上させます。

コミュニケーションの多様化

電子メールだけでなく、ソーシャルメディア、チャット、電話など、複数のコミュニケーションチャネルを活用して顧客と接触しましょう。顧客が好みのコミュニケーション手段を選べるようにし、コミュニケーションを円滑に進めましょう。

適切なタイミング

ターゲットメッセージングやプロモーションを、顧客の購買サイクルに合わせてタイミングよく提供しましょう。特に特別なイベントや休暇シーズンには注意が必要です。

品質維持

商品品質とサービス品質を維持することが、顧客満足度と信頼性を高める鍵です。品質にコンプロミスを許さないことが大切です。

リピート通販においては、顧客との長期的な関係を築くことが成功の鍵です。顧客に価値を提供し、信頼を築くために、継続的な努力と戦略が必要です。

関連記事:【CRM_vol.2】顧客セグメントはDI+RFM+Aが成功のカギ


まとめ

●全体の売上アップのためには都度買い顧客のリピート施策が重要
●きちんとコストをかけたCRM設計で、

 同梱ツールやSNSなどで顧客とのタッチポインチを増やすことが有効。
●次の購入のきっかけを作り、
 リピートを促し定期の引き上げに繋げることが大切です。


プロフィール

A氏
化粧品、健康食品通販メーカー、化粧品OEM企業に勤務を経て独立。20年にわたり事業計画、商品企画、新規獲得、CRM戦略、バックヤード設計・運用など通販事業の運営に必要なすべてのセクションに従事。独立後は化粧品、健康食品をはじめ多数の通販企業の立ち上げから事業支援による事業収益改善に携わる。

S氏
デザイン制作会社にて30年にわたりセールスプロモーションツールを制作。ここ15年は化粧品、健康食品をメインとした新規獲得やCRMの制作に携わる。


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