【商品同梱_vol.5】低コストで効果を上げるクロスセル施策とは?!

第16回は「クロスセルを成功させるCRM設計」をテーマにお送りします。通販企業様から、「クロスセル、アップセル促進に効果的な施策を知りたい」「コストを抑えてリピート率を上げたい」というご相談を多数いただきます。

CRMの現場から、通販ディレクターA氏とデザイン制作会社のS氏と共に、クロスセル、アップセルを促進する具体策をご紹介します。

クロス&アップセル施策の重要性

S氏:定期施策に比べるとクロスセル、アップセルは効果が得られにくいためか、あまり力を入れていない企業が多い印象があります。

A氏:クロスセルやアップセルの成功率は業界の平均で10%、高くて20%程といわれています。実際、私もいろんな企業を見てきてその間に収まっている例がほとんどです。
商品単価が5,000円であれば500円~1,000円の単価アップなので、定期継続率を上げるほうに注力し、あまり積極的にPDCA*1を活用する企業は多くありません。

S氏:しかし、定期や単発で一度は購入している顧客ですから、成功すればリピーターになってくれる可能性が高いため、もっと施策を行う必要があるのではないでしょうか。

A氏:そうですね。獲得した顧客は満足度が上がるため、その後もその単価を維持または向上しながらリピート率も高くなる傾向があり、結果的にLTV*2が高くなり事業に大きな収益をもたらしてくれます
定期継続率やリピート率に意識がいきがちですが、クロスセル、アップセルも購入単価アップと継続率の底上げにも繋がるため、ぜひ実施してほしいですね。

*1:Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)のプロセスを繰り返し、継続的に改善していく手法。
*2:LTV:Life Time Value(顧客生涯価値)。一人の顧客が1社に対し、生涯を通じてもたらす利益。一般に顧客ロイヤリティが高いほどLTVが高くなる。


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なぜ現状の施策が成功しないのか

S氏:クロスやアップセル施策として、総合カタログ的に商品を紹介するケースが多く見られます。それで成功している企業もありますが、顧客は選択肢が多過ぎてどれを選べばいいかわからなくなり、購入の確率が減る可能性があります。

A氏:商品数が多いと特徴を語りきれないというデメリットも出てきます。
また、初回同梱にクロス案内を入れる企業が多いのですが、初回はまず購入商品を使い、早く効果を実感してもらわなければなりません

S氏:定期も初回でやめるケースが多いため、できるだけ初回にたくさんのツールを入れがちです。そのため顧客の意識がそれてしまい、結局本当に伝えたいことが伝わらない状況になりかねません。

A氏:初回で離脱させないためにも、初回は購入商品の魅力を伝えることが最優先です。
クロス・アップセルは、2回目または3回目に実施するのが望ましいでしょう。あとは、顧客のメリットが割引だけになっていることが気になります。

S氏:購入してもらうきっかけとして、おすすめ商品のサンプルを同梱するなど、できるだけ体験してもらうことも重要ですね。

A氏:では、次からは具体的な施策をご紹介しましょう。


クロス・アップセルの具体策

クロス・アップセルは、あくまですでに購入し使用している商品の満足度が高い、もしくは欲しいと思ってもらえる商品があることが前提です。その上で、「ちょうどこういう商品が欲しかった」というような顧客の潜在意識を喚起したり、「今買わないと」という後押しが重要となります。

1. おすすめ商品を厳選する

顧客におすすめする商品選定はとても重要です。たくさん掲載しておけば何か買ってくれるだろう、在庫があるから売ってしまおう、というのは結果的に買ってもらえない場合がほとんどです。また、他社で売れているから、作ってみたいからと、安易に商品開発して在庫余りに苦慮している企業も少なくありません。商品開発の段階からしっかりと売る戦略を立てることが必要です。
リピート促進や休眠DMなどで、まとめ買いやセールを実施し、別の売り場を設けるという考え方もあります。しかし、安売りで買う顧客は安さでしか買わないため、一時的に売上があっても戦略やブランディングなどがないため、次に繋げることが困難になり継続率は伸びません


①悩みや季節性

顧客の年齢や購入商品から推測される悩みに合わせて、おすすめ商品を厳選します。
例えば、スキンケアであれば「乾燥・ハリ不足」や「美白・くすみ」など、類似した悩みに合わせたり、季節ニーズとして「春夏の紫外線対策」や「秋冬の乾燥対策」などです。


②化粧品には美容系サプリ

化粧品購入者にクロスでサプリメント、逆に健食購入者にクロスで化粧品を訴求する企業もありますが、うまくいかない場合が多い。
例えば、スキンケアで肌トーンアップ、青汁の整腸作用で内側から肌を整えるという提案でも、スキンケアと青汁の組み合わせは顧客心理として唐突感があります。化粧品であれば、繋がりが分かりやすい美容系のサプリが良いでしょう。


性別や生活ニーズに合わせる

健食や育毛剤・ヘアケア商品は、男性用、女性用で分ける場合もあります。
コロナ禍のライフスタイルに合わせ、マスク生活による肌荒れ対策や、衛生・除菌関連商品など、その時のニーズを捉えた商品提案も有効です。

 2. 購入商品との相性や相乗効果を訴求する

今使っている商品と併用することでより効果が高まる商品をおすすめします。誌面で併用するメリットを紹介してQRで動画へ誘導し、併用なし・ありの比較動画で見せることで相乗効果をよりリアルに伝えることができます。

3. できるだけサンプルを同梱する

前回も紹介しましたが、手紙風のご挨拶状とともにクロスしてもらいたい商品のサンプルを同梱します。実際に試していただき実感してもらうことが重要なので、スキンケアやファンデーション、育毛剤などが適しています。サプリメントは実感に時間がかかるためあまりおすすめできません。

4. 同梱は2回目のお届け以降にするのが有効

前述の通り、初回は購入商品を正しく使い、早く効果を実感してもらうことを目的とします。また、あまり遅過ぎると離脱の可能性があるため、2回目の同梱もしくは3回目の同梱が良いでしょう。

5. 期間限定や特典など限定感をつける

購入の最後の後押しとして限定感を促します。「今しかない!」と思ってもらうような企画やクリエイティブを心がけて訴求するようにしましょう。
期間限定は定期なら次回お届けまでとし、都度買いなら最長で1カ月以内が目安です。購入特典は別の商品サンプルや割引クーポンなどが有効です。定期なら定期以外の商品、都度購入者は今購入している商品をサンプルや割引にする場合が多く見られます。


まとめ

●クロス・アップセルは結果的にLTVが高くなり、事業に大きな収益をもたらすため、積極的な施策が必要です。

●顧客が購入している商品から推測される悩みや、今使っている商品と併用すると効果が高まる商品など、顧客にとってメリットのある商品を訴求する。

●2回目以降に同梱し、期間限定で「サンプル」や「割引クーポン」などをつけて購入の後押しをする


プロフィール

A氏
化粧品、健康食品通販メーカー、化粧品OEM企業に勤務を経て独立。20年にわたり事業計画、商品企画、新規獲得、CRM戦略、バックヤード設計・運用など通販事業の運営に必要なすべてのセクションに従事。独立後は化粧品、健康食品をはじめ多数の通販企業の立ち上げから事業支援による事業収益改善に携わる。

S氏
デザイン制作会社にて30年にわたりセールスプロモーションツールを制作。ここ15年は化粧品、健康食品をメインとした新規獲得やCRMの制作に携わる。


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